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MEDICAL REHABILITATION Monthly Book No.122 小児の摂食・嚥下リハビリテーションにおける連携医療
発行年月2010年9月
【目次】
特集 小児の摂食・嚥下リハビリテーションにおける連携医療 食べる機能の発達 我が国における重症心身障害児医療の歴史
小児の摂食・嚥下リハビリテーションのこれまで
小児の摂食・嚥下リハビリテーション―療育施設の立場から― 小児の摂食・嚥下リハビリテーション―小児科医の立場から―
小児の摂食・嚥下リハビリテーション―小児外科医の立場から―
小児の摂食・嚥下リハビリテーション―耳鼻咽喉科医の立場から― 小児の摂食・嚥下リハビリテーション―歯科医の立場から―
重症心身障害児者施設における摂食・嚥下障害への取り組み ―看護師の立場から―
小児の摂食・嚥下機能障害への対応―歯科衛生士の立場から― 小児の摂食・嚥下リハビリテーション ―言語聴覚士・作業療法士の立場から―
重症心身障害児の栄養管理と摂食支援―栄養士の立場から― 小児の摂食・嚥下リハビリテーション―MSWの立場から―
牽引
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MEDICAL REHABILITATION Monthly Book No.121(2010.8) 関節リウマチ治療新時代のリハビリテーション
発行年月2010年8月
MTXと生物学的DMARDsによる関節リウマチの新しい治療戦略
三浦 靖史ほか 早期診断基準と疾患活動性評価に基づき,MTXと生物学的DMARDsによる治療を発症早期から開始することにより,完全寛解を速やかに導入して,障害をきたさない高い治療目標を目指す.
RAの新しい治療戦略における整形外科的治療の位置づけ
村澤 章 生物学的製剤などの新しいRA治療薬の登場により関節破壊の抑制が期待されているが,疾患活動性のコントロールの重要性と手術のタイミングを逃さない早期手術適応が必要である.
合併症管理―骨粗鬆症―古谷 武文 生物学的製剤がRAにおける骨粗鬆症管理にどのような変化を起こしたかを,骨折や転倒対策の視点から論じる.
小児リウマチ性疾患における生物学的製剤治療の位置づけと効果
森 雅亮 小児において生物学的製剤を使用する際には,リウマチ専門医に依頼し,あるいは相談する等の密接な連携が重要である.
新しい治療戦略が患者の生活に及ぼす影響
前田 眞治 生物学的製剤の登場で飛躍的に治療が変わり,RA患者の生活も様変わりした.しかし,既に存在する関節破壊などに対しては,過度な負荷がかからないよう慎重な対応が必要である.
新しい治療戦略における患者教育・関節保護指導
鴻井 建三 生物学的DMARDs前後の患者教育・関節保護法の相違について概観し,生物学的DMARDs以後の,生活上の問題動作を把握することの重要性とその方法について述べる.
RAの新しい治療戦略におけるリハビリテーション治療の位置づけ―運動療法―
島垣 昇ほか これまでのRAにおける運動療法は,「できあがった障害」に対して多く行われてきたが,現在では,「障害を作らない」ための運動療法が求められてきている.
RAの新しい治療戦略におけるリハビリテーション治療の位置づけ―温泉療法・水治療―渡部 一郎 水治療は,浮力・静水圧・温熱などRAの廃用・過用症候群の予防を含めた適切な運動療法の場を提供し,QOLも高める温泉療法と合わせ,ますますその有用性が見直されるべきである.
RAの新しい治療戦略におけるリハビリテーションの位置づけ―物理療法―西山 保弘 リハビリテーション戦略として関節保護とオーバーユースに対する患者教育,残存関節痛に対する侵害受容性アプローチ,RAの肩関節痛の除痛方法と近赤外線治療,温熱療法を紹介する.
RAの新しい治療戦略におけるリハビリテーション治療の位置づけ―ADL指導と自助具の活用―林 正春 RA患者の障害は多種多様である.患者個々の状態やニーズに合わせた,指導方法の再考や適切な自助具の開発など『生みだす』『つくる』という創造力によってADLやQOL維持・向上をはかる作業療法技法を紹介する.
RAの新しい治療戦略におけるリハビリテーションの 位置づけ―下肢装具療法―三浦 雅史ほか RAに対する下肢装具療法の現状についての基本的な考え方や疼痛軽減効果,そして今後の課題について述べる.
RAの新しい治療戦略におけるリハビリテーションの 位置づけ―上肢装具療法― 手指の変形を一つの固体として考えるのではなく,その変形に至った関節破壊と筋活動の経緯,筋力のアンバランスなどを評価し,より使いやすい手にするためのスプリント導入であることが重要である.
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MEDICAL REHABILITATION Monthly Book No.120(2010.7)
リハビリテーションとリスク管理
リハビリテーションと転倒・骨折蓼沼 拓ほか転倒・骨折防止には多角的な患者評価に基づいた管理と対策が重要である.リハビリテーションの実施はリスクについての十分なインフォームド・コンセントのうえで行う必要がある.
リハビリテーションと心負荷小林 一成 心臓への負荷の評価と運動強度の設定は表裏一体をなすもので,安全にリハビリテーションを進めるうえでは必要不可欠なことである.
糖尿病患者のリハビリテーションとリスク管理原田 卓 糖尿病患者のリハビリテーションとリスク管理について,最近の流れも交えて概説する.
リハビリテーションと感染症対策竹田 宏 多様な患者を対象とするリハビリテーション領域における感染対策は,日常的にすべての訓練プログラムにおける標準予防策の徹底を基本として,感染伝播リスクの低減をはかることが重要である.
呼吸器疾患とリハビリテーション菅 俊光ほか 慢性期呼吸器疾患として慢性閉塞性肺疾患(COPD)に対する呼吸リハビリテーション,急性期呼吸器疾患として周術期の呼吸リハビリテーションを取り上げ,それぞれについて解説する.
関節リウマチのリハビリテーションと疼痛管理石田 健司
関節リウマチの治療の柱として,基礎療法,薬物療法・リハビリテーション・手術療法などが挙げられる.本稿では手術療法を除いた治療法を概説し,リウマチ患者の集学的アプローチについて述べる.
痙攣のある患者のリハビリテーションとリスク管理渡邉 修 痙攣を起こしやすい患者の特徴(既往歴,疾患の特徴,画像診断)と対処法,生活指導の方法を熟知する.
嚥下訓練のリスク管理小林健太郎ほか
嚥下訓練のリスク管理は誤嚥や合併症の発生を適切に回避することであり,発生した場合にはその合併症を極小化することである.
リハビリテーションと血圧の管理宮野 佐年 リハビリテーション治療は血圧を変動させる要因があるため,リハ前・リハ中の血圧測定を励行し,患者の通常の血圧値を知っておく.また初めてリハを行う場合は,医師が一緒にリハを行うことが望ましい.
肝臓・腎臓障害患者のリハビリテーションとリスク管理上月 正博 肝臓・腎臓障害患者においてもリハビリテーションは重要である.肝臓・腎臓障害患者における安静の問題点,リハビリテーションの実際と効果,展望に関して解説する.
悪性腫瘍患者(がん)のリハビリテーションとリスク管理大野 綾 がん診療においてリハビリテーションは重要な役割をもつ.がんのリハビリテーションの概要とリスク管理を中心に述べる.
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MEDICAL REHABILITATION Monthly Book No.119(2010.6)高次脳機能障害者の就労支援
2010年06月
高次脳機能障害者の就労支援の現状と課題田谷 勝夫
医療機関および就労支援機関における高次脳機能障害者の就労支援の現状と課題について実態調査で得られたエビデンスを紹介した.
民間医療機関における就労支援―当院独自の就労支援活動を通して―
廣瀬 陽子
当院で展開している就労支援活動について紹介する.また,医療機関における就労支援の現状と課題,また,今後の可能性等についても述べる.
医療から就労支援までの連続的ケアの有効性と疾患による特性
長谷川真也ほか
高次脳機能障害者に対し,医療から職業準備訓練,就労支援まで行っている名古屋市総合リハビリテーションセンターの機能の有効性を紹介するとともに,疾患の違いによる特性をデータなどから検証した.
高次脳機能障害者の就労を支えるための公的医療機関の役割
―総合リハビリテーションセンター内外の連携による就労支援―
生方 克之
神奈川リハビリテーション病院内の就労支援の取り組み,および障害者職業センターなど就労支援機関との連携について記した.
高次脳機能障害者への就労支援
―公的福祉機関を中心とした医療・福祉の連携について―
鈴木 真ほか
医療機関と福祉機関が実際どのように連携しているのかを説明した.連携を図にすることは容易であるが,機能させるためにはお互いにメリットが必要である.
広島県における高次脳機能障害者支援の現状―就労支援の視点から―
丸石 正治
就労能力を評価し,その能力に応じた支援システムを構築することにより,就労率を向上させた.社会的行動障害や環境要因についての評価が,今後の課題である.
医療と福祉との連携による高次脳機能障害者の職場復帰支援の実際
後藤 祐之
高次脳機能障害支援普及事業により設置されている医療と福祉(社会的支援)の拠点機関が連携して行っている職場復帰支援について,職場復帰調整を始めるタイミングやリハビリ出勤の実施方法などを具体的に述べる.
医療機関との連携による高次脳機能障害者の就労支援
矢代美砂子
神奈川県総合リハビリテーションセンターとの連携による高次脳機能障害者の就労支援の取り組みについて記した.
高次脳機能障害者の雇用実態
青林 唯ほか
就労定着している高次脳機能障害者に対し,事業所でどのような支援が行われているか調査し,就労支援専門家の助言による支援体制の構築が重要であることを明らかにした.
東京都の高次脳機能障害者実態調査からみる就労支援のニーズ
渡邉 修
東京都の高次脳機能障害者実態調査の結果をもとに,高次脳機能障害者の推定実数および就労支援に関わる問題点を述べ,東京都の就労支援体制について触れる.
索引
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MEDICAL REHABILITATION Monthly Book No.118(2010.5)
脳の可塑性とリハビリテーションへの応用
2010年05月
脳の可塑性の臨床評価:TMS松本 英之ほか
本稿では,脳の可塑性を評価し得る単発および二連発のTMSに焦点を当て,TMSの原理,手法に加えて,脳卒中で判明した可塑性について解説する.
脳の可塑性の臨床評価:MRI服部 憲明
MRIは非侵襲的に脳の多彩な情報を得ることができ,種々のレベルでの脳の可塑的変化をとらえられる可能性がある.各種撮像法の特徴と最近の研究の成果について概説する.
脳の可塑性の臨床評価:fNIRS三原 雅史
機能的近赤外分光法(fNIRS)の原理と,fNIRSを用いての脳損傷後や運動学習などにおける可塑的な機能的再構成の評価に関して概説する.
上肢機能回復と脳の可塑性大須理英子
機能回復の背景となる,脳の可塑性を示す基礎的な実験結果を概説すると同時に,神経回路の理論に基づいて提案された機能回復のモデルを紹介する.
歩行制御と神経可塑性花川 隆
直立二足歩行の神経制御を実行,調整,随意制御の各レベルに分類したうえで,レベル内やレベル間で生じる適応,学習,代償性変化について議論する.
失語症の回復と脳の可塑性小嶋 知幸ほか
失語症の言語機能回復と脳の可塑性について,発症後の時期,大脳左右半球のかかわり,小児失語からの示唆,以上の3点から論じた.
経頭蓋磁気刺激と脳の可塑性村瀬 永子
反復経頭蓋磁気刺激は,刺激頻度により運動野を興奮性にも抑制性にも修飾することができる.また有効な刺激部位の選択から,逆に疾患に特異的な病態の解明の一助となる
大脳電気刺激と脳の可塑性山本 隆充ほか
運動野の慢性電気刺激で運動麻痺が改善することが明らかとなった.しかし,刺激条件の設定が重要であり,運動閾値の80%の刺激強度を用いた場合には,1日の刺激を3時間程度に制限する必要があると結論された.
ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)と脳可塑性美馬 達哉
脳と機械を直結して義肢を操作する技術(ブレイン・マシン・インターフェース:BMI)の臨床応用を概説し,脳可塑性との関連性という最先端のトピックを紹介する.
皮質脳波を用いたブレイン・マシン・インターフェース(BMI)平田 雅之ほか
中心溝内皮質脳波が運動内容の解読に有用であり,この解読技術を用いると,より細かな動きをリアルタイムにロボットで再現できる.
索引
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MEDICAL REHABILITATION Monthly Book No.117(2010.4増大号)
糖尿病のリハビリテーション実践マニュアル
発行年月2010年4月
【目次】 特集 糖尿病のリハビリテーション実践マニュアル
糖尿病と障害、障害者と糖尿病(オーバービュー)
糖尿病と動脈硬化・障害:疫学からの視点
糖尿病の原因と診断基準 糖尿病の治療ガイドラインと血糖コントロール指標 糖尿病の食事療法の原則と実際 糖尿病の運動療法の原則と実際
糖尿病の薬物療法 糖尿病の治療の原則と実際:シックデイの対応 糖尿病の治療の原則と実際:高血糖・低血糖への緊急対応
糖尿病の血圧コントロールの実際 網膜症を伴う場合のリハビリテーションの実際
腎症を伴う場合のリハビリテーションの実際 神経障害を伴う場合のリハビリテーションの実際 糖尿病性足病変を伴う場合のリハビリテーションの実際
心疾患を伴う場合のリハビリテーションの実際 ―糖尿病合併心疾患患者の運動能力と指導方策―
末梢動脈疾患を伴う場合のリハビリテーションの実際
糖尿病の既往歴がない脳卒中患者で発症後に明らかにされた 糖代謝異常の頻度とその臨床的意義 脊髄損傷と糖尿病 糖尿病と性機能障害
小児糖尿病とリハビリテーション 糖尿病予備軍・メタボリックシンドロームと障害者
索引
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MEDICAL REHABILITATION Monthly Book No.116(2010.3)
口腔ケアと摂食・嚥下リハビリテーション2010年03月
口腔清掃と摂食・嚥下リハビリテーションを
オーラルマネジメントとして捉える足立 了平ほか
従来の口腔ケアではなく,口腔清掃に加えて歯科治療および摂食・嚥下訓練の一部など,ケア+治療+リハビリテーションなどを包括した概念である「オーラルマネジメント」について概説する.
急性期医療における早期経口摂取を目指したチームアプローチ
小山 珠美
摂食・嚥下リハビリテーションでは,心身の複合した調和へのアプローチを行い,多職種協働型のチーム力を強化することが重要である.急性期脳卒中患者の経口移行,食事援助技術,チームアプローチについて述べる.
急性期病院における摂食・嚥下障害への対応
―地域連携を意識して―
逢坂 悟郎ほか
嚥下障害に関わる専門職が少ない急性期病院おいて,多くの嚥下障害患者に適切に対応できるようなシステムの構築を試みた.また,それを在宅サービスにつなぐべく,地域連携への努力を行ったので報告する.
摂食・嚥下障害を有する患者への歯科的アプローチ
―他職種との協力のなかで―藤本 篤士
上顎顎欠損症例とパーキンソン病の進行による舌可動域制限症例,重度アルツハイマー病の摂食・嚥下障害3症例に対し,義歯を応用した歯科的対応を行った.
地域開業歯科医の役割吉田 春陽
訪問口腔ケアの目的をケアの視点で見直し,訪問歯科診療における地域開業歯科医の役割を事例から考察する.
摂食・嚥下リハビリテーションの効果的な実践法
―言語聴覚士の立場から―岡田 澄子ほか
効果的な嚥下訓練の要点は,医学的安定の確保,治療指向型評価,これに基づいた適切な誤嚥防止法の選択とターゲットを絞った集中的な間接訓練である.
摂食・嚥下リハビリテーション―理学療法士からのアドバイス―
眞渕 敏
摂食・嚥下障害の対処法としての理学療法の役割と呼吸理学療法を中心に理学療法アプローチを解説し,そのポイントについてまとめた.
介護老人保健施設における摂食・嚥下障害への取り組み
―作業療法士の役割を通して―
竹山由里子ほか
嚥下機能評価・訓練・指導に作業療法士が取り組むことで,食事動作に対するアプローチだけではなく,嚥下機能も食事の一部分としてアプローチすることができている.
歯科衛生士の役割塚本 敦美
単に口腔清掃のみでなく,観察力,技術を生かした口腔ケアを提供する.口腔機能を改善させ,生活できるような支援や癒しまで含めた「心地よい口腔ケア」を目標とする.
摂食・嚥下障害患者の栄養管理一丸 智美
嚥下障害と栄養障害の悪循環を断ち切るため,経口・経管・経静脈栄養ルートを組み合わせた総合的な栄養ケアを提供しなければならない
索引
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MEDICAL REHABILITATION Monthly Book No.115
脊髄損傷のリハビリテーション―合併症に関する最近のトピックス―
全国脊髄損傷データベースからみた合併症overview真柄 彰
脊髄損傷合併症の研究には多数の症例を要する.全国労災病院が集積した症例データベースを解析し,各種合併症相互の発生の関連性を示す.
皮膚合併症(褥瘡)神埜 奈美ほか
脊髄損傷者の重大な合併症である褥瘡は予防が大事であり,できてしまった時にはいかに早く発見できるかが患者のその後のQOLを決める.早期発見ツールとして,Bモードエコーが有用であると考えられる.
起立性低血圧と自律神経過反射美津島 隆ほか
脊髄損傷者における起立性低血圧ならびに自律神経過反射の病態とその治療法について,最近の文献を踏まえて概説した.
脊髄性痙縮に対する髄腔内バクロフェン(ITB)療法の経験富永 俊克
痙縮とは何か? その病態生理について概説した.ITB療法の効果発現機序についても概説し,その効果と副作用についてまとめた.
呼吸機能障害土岐 明子ほか
特に頸髄損傷における呼吸機能障害の病態とその対応策(気道分泌物の除去方法と長期人工呼吸器管理,離脱方法など)を紹介した.
代謝について横山 修
脊髄損傷者の代謝について,受傷後から筋萎縮,脂肪組織の増加といった体組成変化により肥満を合併し,耐糖能異常,脂質代謝異常などを伴う.今回,メタボリックシンドロームとの関連や問題点について概説した.
神経因性膀胱小澤 秀夫
脊髄損傷における神経因性膀胱は,主に間歇導尿で管理する.尿失禁に対しては,抗コリン剤内服,膀胱瘻造設などで管理する.
脊髄損傷における性機能障害仙石 淳ほか
男性脊髄損傷患者の精液所見の劣化には精子中DNAの損傷が関与し,その損傷程度が高度生殖医療における妊娠成功率にも影響する.普段から精液を良好に保つことがなおさら重要である.
免疫機能について古澤 一成ほか
脊髄損傷においては,運動量の低下だけでなく,交感神経系の障害や筋肉量の減少から免疫機能の変化が生じることを認識しておきたい.
脊髄損傷者のスポーツにおける合併症大川 裕行ほか
脊髄損傷者ではスポーツ活動による原障害の悪化および合併症の発生は認められないが,初心者では上肢に傷害の発生が極めて高い.
索引
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MEDICAL REHABILITATION Monthly Book No.114(2010.1)
脳卒中リハビリテーションupdate
2010年01月
脳卒中治療ガイドライン2009のポイント中馬 孝容
「脳卒中治療ガイドライン2009」が「脳卒中治療ガイドライン2004」の改訂版として出版された.今回,「ガイドライン2009」における推奨グレードについて説明を行った.
脳卒中リハビリテーションにかかわる制度の動向川手 信行ほか
脳卒中リハビリテーションがかかわる医療保険,介護保険,障害者自立支援の各制度について,最近の動向,問題点,今後の展望などを概説する.
脳卒中診療連携の動向辻 哲也
医療施設の機能分化にともなう問題を克服するためには,連携を強化し切れ目のない診療体制を確立することが必須である.その際に各病期をつなぐツールが連携パスである.
脳可塑性研究の動向池田 聡
脳は非常に可塑的な臓器であり,脳損傷後はさらにダイナミックに変化していく.脳可塑性に関する様々な現象について,リハビリテーション医療の基礎的エビデンスとして重要事項を解説する.
上肢機能障害へのアプローチ新藤恵一郎
脳卒中による上肢機能障害に対するアプローチである,反復経頭蓋磁気刺激(rTMS),CI療法,電気刺激,ロボット訓練について,その治療法やメカニズムを概説する.
歩行障害へのアプローチ和田 太ほか
脳卒中の麻痺側下肢の機能回復を促すニューロリハビリテーション手法として,ペダリング,トレッドミル歩行訓練(部分免荷を含む),ロボット補助訓練について概説した.
半側空間無視へのアプローチ水野 勝広
半側空間無視の評価,リハビリテーションの最近の進歩や,最新のニューロイメージングによって明らかになった半側空間無視のメカニズムなどについて解説した.
嚥下障害へのアプローチ小口 和代ほか
嚥下障害は神経可塑性の治療への応用に展開があった.最新の検査法として,320列面検出器型CTによる3次元的な嚥下評価の試行を紹介する.
失語症へのアプローチ立石 雅子
失語症へのアプローチについて,原則と基本的な方法について最近の動向を踏まえ概説する.
地域における高次脳機能障害へのアプローチ安宅 雪子
高次脳機能障害に対する地域支援について,杉並区における経過と内容,今後の課題について紹介した.
索引
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MEDICAL REHABILITATION Monthly Book No.112(2009.11)
脳卒中回復期リハビリテーション
【内容】
特集 脳卒中回復期リハビリテーション
【目次】
脳卒中回復期リハビリテーションの意義
脳卒中回復期における回復期リハビリテーション病棟の役割―その強みと弱み,地域連携を通して
脳卒中急性期のリハビリテーションにおける多職種の連携
脳卒中回復期におけるFIT programの有用性
大学病院における脳卒中回復期リハビリテーション医療の展開
リハビリテーション専門病院での脳卒中回復期リハビリテーション
民間病院での脳卒中回復期リハビリテーション
脳卒中回復期リハビリテーション―PTの関与の重要性・ポイント―
脳卒中回復期リハビリテーション―OTの関与の重要性・ポイント―
脳卒中回復期リハビリテーション―STの関与の重要性・ポイント―
索引
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MEDICAL REHABILITATION Monthly Book No.111(2009.10)
がんのリハビリテーションと緩和ケア
2009年10月
がんのリハビリテーションにおけるリハ医の役割と実際辻 哲也
がん医療におけるリハビリテーションの重要性,リハの内容とその実際,リスク管理およびリハビリテーション科医師の役割について述べる.
がん患者に対する歯科診療の役割と実際大野 友久
がん患者の治療において歯科が貢献できることは少なくない.医科と円滑に連携し,患者への貢献を高めていきたいところである.
がん患者に対する摂食・嚥下リハビリテーションの実際田沼 明
がん患者の嚥下障害についてその特徴とリハビリテーションの方法を概説した.また終末期の嚥下障害への対応についても記した.
がん患者に対する呼吸リハビリテーションの実際俵 祐一ほか
がんに対する呼吸リハビリテーションは,周術期から終末期までその適応は広くなっている.病態の時期により介入の目的が変化するため,それぞれの時期に応じた対応が重要となる.
リンパ浮腫の治療とケア佐藤佳代子
・末期がんに伴うリンパ浮腫ケアは,病態の変化に応じてがん治療の補完的なケアとして実施する.
・外科的治療後の通常のリンパ浮腫に対するアプローチ方法とは異なる.
・患者や家族の訴えを十分に傾聴し,医師の指示のもと全身状態を考慮しながらすすめてゆく.
・身体的ケアを通して精神的な痛みの緩和をもたらす.
進行期~終末期がん患者のリハビリテーションにおける
目標設定の重要性とその効果
北原エリ子ほか
進行期~終末期がん患者の院内リハビリテーションガイドラインを紹介し,目標設定の重要性と目標設定の検討を推進することによって得られた効果について報告する.
緩和ケア病棟でのリハビリテーションの実際園田 茂
緩和ケアの患者にはタイムリミットがあり,骨折リスクが高いことを念頭に,リハ計画を立てる.リハラウンド形式も有用な方法である.
緩和ケアチームの活動とリハビリテーション森田 達也
聖隷三方原病院における緩和ケアチームとリハビリテーションの協働.
がん患者におけるNSTの役割二村 昭彦ほか
栄養管理は,すべての疾患治療のうえで共通する基本的医療のひとつである.NSTの普及により終末期を含むがん治療に対する栄養管理も徐々に変化を遂げようとしており,組織修復の促進,身体機能の回復を目指した栄養サポートの実施と終末期患者に対する適正な栄養管理の提供が重視されつつある.
緩和ケアと終末期リハビリテーション大田 仁史
最期まで人の尊厳を守るには,終末期リハビリテーションの思想と手法が欠かせない.またADLとQOLは必ずしも相関しないこともあるが,この双方に視点をおいてかかわる必要がある.どのような理由があっても身体機能の廃用は避けるべきである
索引
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MEDICAL REHABILITATION Monthly Book No.110(2009.9)
肩関節疾患の診断からリハビリテーションまで
2009年09月
肩関節周囲炎の診断と治療方針 佐原 亮ほか
肩関節周囲炎とは,関連用語を説明しつつ疾患の概要を示し,その診断と治療方針,特に保存療法における運動療法について病期別に解説した.
肩関節周囲炎のリハビリテーション 五十嵐絵美
肩関節周囲炎のリハビリテーションについて,保存治療を病期別に解説した.
腱板断裂の診断と治療方針 畑 幸彦
腱板断裂は肩関節疾患の中で最も頻繁に見かける疾患であるが,不全断裂と全層断裂では異なる点が多く,それぞれについて診断方法と治療方針について述べる.
腱板断裂のリハビリテーション 高橋 友明
腱板断裂に対するリハビリテーションは,症状および状態の観察と評価により肩の機能回復の過程を十分に把握して,適切な治療プログラムを立て実施することが重要である.
反復性肩関節脱臼の診断と治療方針 鈴木 一秀ほか
反復性肩関節脱臼の病態診断は,問診や理学所見から比較的容易に行うことが可能であるが,治療に関しては関節内の様々な病態を診断可能なMRAの情報を基に,基本的には関節鏡視下手術が選択される.
反復性肩関節脱臼の理学療法 尾崎 尚代ほか
Bankart修復術後の理学療法では,早期の縫合部への過大な負荷を避けることに注意しながら肩複合体全体の運動機能の評価と低下した機能の回復を図る必要がある.
肩関節周辺骨折の診断と治療方針石毛 徳之
鎖骨・肩甲骨・上腕骨近位端骨折治療においては骨折分類のみならず,患者背景を考慮した治療方針の決定が必要である.手術に至る症例も多く,症例を供覧する.
肩関節周辺骨折のリハビリテーション遊佐 隆
肩関節周辺骨折のリハビリテーションでは,骨癒合が順調に進み,かつ肩の機能を回復させることが求められる.ここでは,そのために必要な着眼点と介入方法を紹介する.
スポーツ障害肩の診断と治療方針の選択 菅谷 啓之
肩のスポーツ障害の治療は基本的に保存療法で,機能訓練が奏功する症例が圧倒的に多く手術に至る症例は少ない.すなわち,本症の治療では機能診断が極めて重要となる.
スポーツ障害肩のリハビリテーション 小山 泰宏ほか
スポーツ障害肩では,肩甲上腕関節にかかる過剰なメカニカルストレスを減じるために肩甲帯機能や運動連鎖に着目した治療アプローチを行う.我々の評価,治療アプローチの方法について,若干の知見を交えて紹介する.
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MEDICAL REHABILITATION Monthly Book No.109(2009年9月増刊号)
摂食・嚥下リハビリテーションと栄養管理
【内容】
摂食・嚥下リハビリテーションと栄養管理
【目次】
A.全般,評価,基礎
摂食・嚥下リハビリテーションにおける栄養管理の位置づけ
摂食・嚥下障害における栄養管理とシステム
栄養スクリーニングとアセスメント
摂食・嚥下障害と栄養不良―経口摂取への移行のために―
摂食機能の発達と食物形態
食べやすい食品のテクスチャー特性と咀嚼運動
身体機能からみた経口摂取と食品形態
摂食訓練における食品形態と栄養管理
B.各論,疾患,施設対応
小児,障害児における摂食・嚥下障害と栄養管理の問題
脳卒中急性期の摂食・嚥下障害の管理とリハビリテーション
繰り返す誤嚥性肺炎・虚弱高齢者における嚥下障害
神経筋疾患における栄養障害と摂食・嚥下障害の管理
頭頸部癌術後の摂食・嚥下障害と栄養管理
在宅・地域医療における摂食・嚥下障害者への嚥下食提供時の工夫と栄養管理・栄養サポート
在宅高齢者の嚥下障害管理における栄養問題:開業医の立場から
在宅ターミナルケアにおける摂食・嚥下障害者に対するかかわり
摂食・嚥下外来における嚥下リハビリテーションと栄養指導
回復期リハビリテーション病棟における
摂食・嚥下リハビリテーションと栄養評価
高齢者施設(特別養護老人ホーム,老人保健施設など)における
摂食機能療法と栄養管理
―福祉領域の口腔機能向上(摂食・嚥下機能向上)支援について―
C.経管栄養法,NST,栄養剤
摂食・嚥下障害における経腸栄養と経静脈栄養:全般
摂食・嚥下リハビリテーションにおける胃瘻の有用性と現状の問題点およびその解決法
経鼻経管栄養法と間欠的口腔食道経管栄養法
NSTと摂食・嚥下リハビリテーションの関係
栄養補助食品とトロミ調整食品
アメリカにおける摂食・嚥下リハビリテーション,嚥下食の考え方と現状
索引
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MEDICAL REHABILITATION Monthly Book No.108(2009.8)
慢性閉塞性肺疾患(COPD)とリハビリテーション
2009年08月
COPD患者における呼吸リハビリテーションの意義 上月 正博
最近「呼吸障害者に対する極めて有効な治療」としてガイドラインに位置づけられ,診療報酬にも収載されたCOPDにおける呼吸リハビリテーションの定義,要素,効果について概説する.
COPD治療の包括的管理―薬物療法と非薬物療法の融合― 一和多俊男
安定期のCOPDの治療は,%FEV1で定義された病期に応じて段階的に施行される.本稿では,安定期と増悪時の薬物療法・非薬物療法を大別して概説する.
COPDの予防戦略―禁煙指導と肺年齢― 川山 智隆ほか
専門医のみならず,非専門医,プライマリケア医,患者,一般市民に対して,喫煙が肺のなかでどのような変化を起こし,その変化が肺にどれだけのダメージをきたすかを理解してもらい,禁煙がCOPD発症予防および病状進展抑制に効果があることを知ってもらいたい.また,肺年齢を用いた禁煙活動が広く普及することを期待する.
COPDと喘息,肺線維症,気管支拡張症の鑑別,治療の相違 和田 裕雄ほか
COPDの治療では薬物療法が確立しつつあり,COPDは実地医家のレベルで診断・治療が可能で生命予後改善も期待されるようになってきた.その一方で,画像診断学や呼吸生理学,分子細胞学の分野の解析により病態の理解がさらに深まっており,大学病院などの教育と研究の現場でも注目されている.しかし,薬物療法が確立しても,患者のQOLの維持・改善には呼吸リハビリテーションが重要と考えられる.
COPDにおける呼吸の特徴とリハビリテーションターゲット
―評価とコンディショニングを中心に― 佐野 裕子
COPDにおける呼吸の特徴と,評価の際のポイントを解説し,さらにコンディショニングについて,その位置づけと実際のアプローチ方法について述べる.
COPDにおける息切れの悪循環への対策
―筋力強化と持久力トレーニングを中心に― 神津 玲ほか
COPDでは重症度によって筋力トレーニングと持久力トレーニングの組み合わせを配慮するとともに,重症例ではコンディショニングや気管支拡張剤の併用も考慮する.
呼吸リハビリテーションにおけるチーム医療と
保険診療の実際―COPDを中心に― 宮崎 博子
包括的呼吸リハビリテーションは,継続しなければその効果を維持できない.地域医療連携のなかでチーム医療を継続するには,保険診療制度と地域リハビリテーションシステムの整備が不可欠である.
COPDのHOT,NPPV在宅療法の導入と管理 田畑 雅央ほか
HOTの適応と導入の実際,患者教育の注意点,社会サービスについて解説した.また在宅NPPVの導入基準と今後の課題についても簡略に記載した.
COPDにおけるガス交換機能
―低酸素血症とパルスオキシメータの見方― 小川 浩正
ガス交換機能を理解することにより,COPDにみられる低酸素血症を生理学的病態から理解し,パルスオキシメータの見方を覚える.
COPD患者における栄養障害と食事指導 高橋 識至
COPD患者における栄養障害は予後不良因子であり,栄養指導はチーム医療による積極的な介入が重要である.
呼吸リハビリテーションをいかに維持するか 黒澤 一
パジャマで暮らすCOPD高齢者が,翌年,国体県選手団にジャージを着て輝かしい成績を残す.「動機付け」と「強化」を工夫した呼吸リハビリテーションの継続の考え方とは.
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MEDICAL REHABILITATION Monthly Book No.107(2009.7)
メタボリックシンドロームとリハビリテーション
メタボリックシンドロームに至る概念の変遷 片山 茂裕
1988年に提唱された“Syndrome
X”という概念は,内臓脂肪を根底においたメタボリックシンドロームの概念に発展した.1人の患者に糖・脂質代謝異常や高血圧が集積すると心血管系疾患の発症が相乗的に増加することに留意すべきといえる.
メタボリックシンドロームの診断基準 原 一雄
メタボリックシンドロームを診断する意義は心血管疾患の高リスク者の拾い上げにあるが,そのために最適な診断基準は何かについて現在検討が進められている.
アディポサイトカイン 犬飼 浩一
脂肪細胞は人体における最大の内分泌器官として,数多くの生理活性物質を分泌し,その分泌異常がメタボリックシンドロームのphenotypeに大きく関与する.
心血管障害,脳血管障害における独立した危険因子としての
メタボリックシンドローム―久山町研究から― 秦 淳ほか
メタボリックシンドロームは虚血性心疾患,脳梗塞の発症の独立した有意な危険因子である.MSは個々の構成因子の影響を超えてリスクを高めるため,包括的で厳重な管理を行う必要がある.
心腎連関とメタボリックシンドローム 金澤 雅之
心腎連関からみた心臓リハビリテーション運動療法について概説した.
メタボリックシンドロームの予防に対する保健活動の実践 小堀 悦孝ほか
生活習慣病に関する保健事業においては,実施の目的,実施法,対象者,結果を明確にして客観的指標を導入した評価を行うことが重要であり,評価指標例および事業のプロセス評価法を示した.
メタボリックシンドロームに対する薬物の効果
―ARBを中心として― 原田 卓ほか
メタボリックシンドロームの病態生理とARBのそれらに関する作用を,インスリン抵抗性を軸に基礎的背景・大規模臨床成績から検討した.
脳卒中患者におけるメタボリックシンドローム 菱沼亜紀子ほか
メタボリックシンドロームは脳卒中発症,再発と密接に関連している.本稿では疫学的データ,アディポサイトカインとの関連,運動療法の効果について概説する.
脊損者におけるメタボリックシンドローム 水口 正人
脊損者では,低身体活動や体組成変化により,メタボリックシンドロームの有病率が高いと考えられるが,健常者の診断基準では,過小評価される可能性が高い.
虚血性心疾患とメタボリックシンドローム 牧田 茂
リハビリテーション領域におけるメタボリックシンドロームの治療は,包括的心臓リハビリテーションの実践そのものである.
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MEDICAL REHABILITATION Monthly Book No.106(2009.6)
リハビリテーション関係者が知っておくべき精神科疾患・精神医学
2009年06月
リハビリテーション関係者に精神科疾患・精神医学の
知識と理解が必要な理由 先崎 章
自殺未遂,交通災害の患者,あるいは慢性疼痛や転換性障害の患者への対応には精神科疾患・精神医学の知識と理解が必要である.正しい知識と対応は,リハビリテーションを円滑に進行させると同時に,スタッフのメンタルヘルスにも貢献する.
<(身体)リハビリテーション患者によくみられる精神科疾患・状態と対応>
抑うつや不安が目立つ精神疾患 藤澤 大介
うつ病と外傷後ストレス障害はリハビリテーション場面で高率にみられる.リハビリテーション関係者が早期に気付いて,早期に専門医につなげることで,患者のQOL向上につながる.
脳損傷後にみられる精神疾患 山里 道彦ほか
脳損傷後にみられるせん妄・通過症候群・社会的行動障害について自験例を示しながら,評価と対応について報告した.また,精神科へコンサルテーションするタイミングについて検討した.
痛みや運動麻痺がみられる精神疾患 嶋田 博之
精神疾患でない場合も含めて,痛みや麻痺を訴えてリハビリテーションが滞っている患者に対して,どのように関わったら良いのかを検討した.
小児期・青年期から明らかな精神疾患
―リハビリテーション医に求められる小児期および
青年期の精神疾患の診療― 日原 信彦
リハビリテーション医に求められる小児期および青年期の精神疾患の診療について,発達障害の診断フォーミュレーションのプロセスを用いて,併存精神障害について考える.
行動上の問題がみられる精神疾患 安野みどり
統合失調症者の身体リハビリテーション施行時には精神症状以外にも,日常生活でみられる様々な不自由さに対する配慮も必要である.
<各職種における精神科疾患を合併している患者への対応>
リハビリテーション専門医の立場から 小林健太郎ほか
自殺未遂患者は活動性の低下を認めても時間をかければ目標を達成できることが多く,自殺企図に対する先入観や陰性感情を制御してリハビリテーション適応を見極める必要がある.
理学療法士の立場から
―統合失調症患者のリハビリテーション症例を中心に― 泉 美帆子
身体障害を合併している統合失調症者に対する理学療法実施時の留意点について,症例の具体的な対応方法も含めて紹介した.
作業療法士の立場から 黒澤也生子ほか
作業療法士は,個別リハビリテーションによる心身の機能や能力の回復とともに,退院前の集団リハビリテーションなどを工夫して退院後の生活を具体的にイメージする介入により,うつ状態の早期発見・早期治療および予防への取り組みが必要である.
体育(健康運動)指導士の立場から―統合失調症を中心に― 高橋 春一
統合失調症患者に運動・スポーツを指導する際の対応.精神症状の安定を第一義的に,個々に応じて,症状や薬の副作用における身体への影響を考慮した対応が重要である.
リハビリテーション医療におけるリエゾン・カンファレンスと
メディカルファミリーセラピーの導入―家族支援の内在化― 栗原 由佳ほか
リハビリテーション科医が心理社会的側面に対して,具体的な理論モデルや技法を学ぶ機会はほとんどないのが現状である.今回は,リエゾン・カンファレンスとメディカルファミリーセラピーを紹介する.
<スポーツ精神医学>
精神疾患とスポーツ内田 直
精神疾患に対する運動療法の可能性について,最近の知見を紹介する.また,アスリートにみられるオーバートレーニング症候群についても紹介した.
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MEDICAL REHABILITATION Monthly Book No.105(2009.5)
変形性膝関節症のリハビリテーション
2009年05月
変形性膝関節症の治療 木村 雅史
変形性膝関節症の治療ではまず保存療法が推奨されるが,特に運動療法において種々の臨床効果が認められている.手術療法は適応を選べば安定した好成績が得られる.
変形性膝関節症に対する在宅訓練 内尾 祐司ほか
本症に対する在宅訓練を安全・確実に継続して行うためには患者の的確な病状把握と動機付けが重要である.
変形性膝関節症に対する物理療法の効果とリハビリテーション 長門 五城ほか
疼痛緩和のための物理療法は,活動性を高めるために行われる.運動療法や行動療法・心理的なサポートを含め,バランスの取れた疼痛管理が重要である.
変形性膝関節症に対する装具療法
―今世紀に入ってから国際雑誌に掲載された論文の解説― 戸田 佳孝ほか
2001年以降の足底板に関する国際雑誌掲載論文をまとめた結果,欧米での足底板の治療成績が日本での研究結果より劣っている理由は,履物習慣の違いにあると考察した.
変形性膝関節症に対するヒアルロン酸ナトリウム
関節内注入療法とリハビリテーション 清水 雅樹
変形性膝関節症に対するヒアルロン酸ナトリウム関節内注入療法は,良好な治療成績を示すとともに安全性も高く,外来診療の現場で簡便に施行することができる治療法である.
変形性膝関節症の運動療法 川越 誠
変形性膝関節症は,身体各部位が加齢によって変化し,運動連鎖の異常をきたし関節症変化を進行させる.運動療法も運動連鎖的な分析とプログラムを行っていく必要がある.
変形性膝関節症のリハビリテーションに必要な合併症の知識山内 克哉ほか
術後の静脈血栓症に対して,発生頻度・部位・リスク・予防法・治療法についてまとめた.最近は予防法が中心となっており,抗凝固薬を中心に概説した.
高位脛骨骨切り術術後のリハビリテーション斎藤 泉ほか
高位脛骨骨切り術術後のリハビリテーションでは,isometric exerciseによる大腿四頭筋訓練が術前および術直後から重要で,術後訓練も長期に継続することが必要である.
人工膝関節置換術後のリハビリテーションと可動域 八木 知徳
TKAの治療成績を左右する因子として術後可動域がある.閉創直後の可動域を目標とし,硬膜外麻酔などの鎮痛処置を併用したリハビリテーションを行うことにより,可動域拡大が図れる
MIS人工膝関節置換術後のリハビリテーション 松本 秀男ほか
MIS-TKAは美容的に優れ,術後の疼痛を緩和でき,早期の機能回復訓練や社会復帰が期待できるが,手術時間が長く,learning curveが強いことなどの欠点も存在する.
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MEDICAL REHABILITATION Monthly Book No.104(2009.4)
高齢者の歩容と歩行障害 転倒を含めて
2009年04月
高齢者の歩容・歩行の特徴 森田 定雄
歩行に影響するような疾患や異常がない高齢者の歩行には,若年者とほぼ同じ歩容のものから,小刻み歩行,すり足歩行といわれるものまで幅広く含まれる.
高齢者の歩行能力とバランス機能 猪飼 哲夫
高齢者のバランス機能,歩行能力とバランス機能の関係などの研究結果を示し,歩容の特徴やバランス機能の歩行能力への関与を解説した.
歩行が脳機能を活性化するメカニズム堀田 晴美ほか
大脳皮質や海馬において血流と神経成長因子分泌を増加させる働きを持つコリン作動性神経が歩行中に賦活され,脳の高次機能を活性化する.
高齢者の歩行量とこころ・からだの活性化との関係 青柳 幸利
高齢者の日常的な身体活動と心身の健康との関係およびそのような活動に影響を及ぼす諸要因に関する学際的研究(中之条研究)を紹介する.
高齢者・障害者の歩容・歩行についての研究と
臨床との溝をトレッドミル歩行分析で橋渡し 鈴木 亨ほか
最新の3次元動作解析装置Kinema Tracer®の概略について紹介した.転倒しやすい歩行が自立以前の患者でも,簡便に再現性高く評価が可能であり,歩行自立に向けた訓練も可能である.
片麻痺歩行の運動学的特性と運動学習によるその再構築 長谷 公隆
片麻痺歩行は,麻痺側下肢の運動出力不全を代償するための同時収縮制御に基づいており,その機能的再構築は,課題指向型訓練を含めた治療的運動学習によって達成される.
脳卒中片麻痺患者の歩行障害に対する訓練 三原 雅史ほか
当院における脳卒中後歩行障害の予後データを紹介し,歩行障害に対するリハビリテーション介入の効果について現在のエビデンスを中心に概説した.
半側空間無視を伴う脳卒中片麻痺患者に対する歩行訓練の方法 伊藤 克浩
半側空間無視を伴う脳卒中片麻痺者に対する歩行訓練について,理学療法士ならではの視点から空間認知の問題を運動障害や姿勢の定位の問題と併せて捉えている.運動療法介入および歩行訓練について症例を通して紹介.
パーキンソン病患者の歩容の特徴と歩行訓練 阿部 和夫
パーキンソン病(PD)の特徴的な歩容は,やや前屈みで,手の振りがなく,足底の前方に体重がかかった小刻み歩行であり,特徴的歩行障害だけでPDと診断することも可能である.
運動学的・運動力学的視点から捉えた運動失調患者の歩行と歩行練習
溝部 朋文ほか
運動失調の姿勢制御を解釈し,運動療法に結びつけるためのモデルや理論を提案するとともに,運動失調という側面から高齢者の歩行障害を考察し,運動療法を検討する.
変形性膝関節症に基づく歩行障害とその対応策 吉永 勝訓ほか
変形性膝関節症による歩行障害について床反力,足圧分布所見も含めて記載した.また,その対応として装具療法,運動療法とその効果などについて述べた.
腰部脊柱管狭窄症患者の歩行の特徴と歩行訓練 林 泰史
間欠性跛行を示す腰部脊柱管狭窄症に対する訓練方法としては腰椎のストレッチ,腹筋強化を中心にして進める.これらにより,緒症状・ADL改善を通して効果を上げていく.
骨粗鬆症に伴う円背による歩行障害とそれに適した歩行練習 峯 貴文
円背姿勢の身体的特徴と問題点をきちんと把握し,継続して実施できるような運動や生活指導と環境の整備を行うことが重要である.
つまずきを防いで転倒予防 大高 洋平
つまずき予防には,障害物を認知し回避する能力の向上が必要である.それには,視覚・認知系および回避動作を行う運動制御系が適切に働くようにすることが必要である.
病院で行われる転倒予防教室の効果 長屋 政博ほか
転倒もしくはつまずきを経験した高齢者に対して,当院で行っている転倒予防教室での筋力強化およびバランス訓練を主体とした運動プログラムについて概説した.
地域住民を対象とした転倒予防―太極拳など伝統的身体技法の効用―
高杉紳一郎ほか
時空を越えて愛好される伝統的身体技法に焦点を当て,太極拳の効果を検証し,フラや日舞の所作に秘められた心身両面の効果を探る.
高齢者の転倒とその社会的・経済的損失 林 泰史
毎年,女性の約20%に見られる転倒は1年間に約7,300億円の医療・介護費用を費やすが,運動による筋力増強でそれを半減できる.
歩容に応じた歩行補助具の選択 中山 恭秀
“何のために歩行補助具を用いるのか?”という視点から,代表的な障害像やその歩容を中心に選択する臨床的思考過程を述べる.
歩行支援ロボットの活用による下肢機能・中枢神経機能への改善効果 蜂須賀研二
歩行訓練ロボットは重度片麻痺患者の歩行訓練に有用である可能性がある.
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MEDICAL REHABILITATION Monthly Book No.103(2009.3)
発達障害のリハビリテーション
2009年03月
歴史と現状 宮本 信也
発達障害は福祉領域から医学領域に広まった概念である.医学的対応の対象となる問題がない場合,発達障害支援の中心は教育と福祉といえるであろう.
発達障害の早期診断とその課題 北原 佶ほか
発達障害の早期診断に力を注ぐよりも適正発見で対応することが重要である.そのための気づき,相談・支援体制の充実が求められる.
発達障害の薬物治療 篠山 大明ほか
発達障害に対する薬物治療としてまだ確立されたものはないが,様々な問題や合併症を改善することにより効果的な療育を行うために用いられている.
軽度発達障害の二次的障害と社会的転帰 江川 純ほか
軽度発達障害のうち,広汎性発達障害と注意欠如・多動性障害の二次的障害と社会転帰のデータやそれらに多大な影響を与える虐待やいじめの問題点や対応についてまとめた.
発達障害に対する医学的リハビリテーションのあり方 日原 信彦
不均一な運動発達を示す乳幼児には発達障害を考慮した経過観察を行う.自閉症スペクトラムに対して認知心理学的観点から障害分類を行い,認知特性に沿った治療的介入を行う.
発達障害の心理的アプローチ 園山 繁樹
発達障害の心理的アプローチでは,障害特性・症状のレベル軸,知的機能のレベル軸,年齢・発達のレベル軸の3つの軸に基づく生涯発達の視点からのアプローチが重要である.3つの事例を紹介した.
発達障害の作業療法―作業療法の適応と意義― 岡本 武己
発達障害に対する作業療法について,その役割を検討し,現状からその適応について考察した.また,事例を紹介し作業療法の意義を検討した.
発達障害の言語聴覚療法 大石 敬子
言語は幼児期に続き,学童期にも目覚しい発達を遂げる.学童期発達障害児の多くは日常会話に支障がないので,言語の遅れに気づかれない.しかし,彼らの学習や社会性の問題の背景には,定型発達児が学童期になって獲得する語彙や構文,語用の発達の遅れがある.これらの高度なレベルの言語使用は日常会話には必要ないが,学習と学校における仲間関係の維持には不可欠であり,発達障害児の多くはこのような高度の言語発達が遅れているために学習および社会性に問題を生じる.
発達障害に対する家族支援と地域ネットワーク
―長野県における取り組みから― 工藤 哲也
長野県の発達障害に対する家族支援と地域のネットワークの現状を報告するとともに,事例を通し,今後の支援のあり方について検討した.
発達障害への対策―今後の展望と課題― 汐田まどか
生活モデルに基づく地域支援システムの構築,エビデンスに基づく発達リハビリテーションプログラムの提供,医学的病態の解明が課題である.
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MEDICAL REHABILITATION Monthly Book No.102(2009.2)
地域完結型のリハビリテーションの実践
2009年02月
地域で完結できるリハビリテーション体制の構築―医療が生活に出会うために―
栗原 正紀ほか
高齢者社会では“チーム医療に基づく機能分化とリハビリテーションの流れで構築される地域連携”によって,「急性期の臓器別専門治療が生活につながる」ことが可能となる.
熊本における地域完結のリハビリテーションの実践 平田 好文
地域完結型リハビリテーションでは機能分化の意義と役割分担を明確にする必要があり,多くの医療機関と連携するためのツールが地域連携パスである.
三重県における地域リハビリテーション体制について 園田 茂ほか
リハビリテーション資源の少ない中,脳卒中医療連携を呼び水に県単位のまとまりが形づくられ始めた.
札幌における地域医療・福祉連携とリハビリテーション体制
橋本 茂樹ほか
地域完結型のリハビリテーションは急性期から維持期への“縦の連携”と各回復期リハ病院・病棟間をつなぐ“横の連携”,そして全体をつなぐ“面の連携”が重要であり,地域リハの充実によって結実するものである.
香川における地域連携クリティカルパスの現況とノウハウについて 藤本俊一郎ほか
(1)シームレスケア研究会で連携における問題点を把握し,地域連携パスを用いて,問題点を解決した.(2)医療計画・診療報酬制度改定に対応し地域連携パスの改定・追加作成を行った.(3)セキュリティを確保し,インターネットを用いた地域連携パスの運用を開始した.
地域リハビリテーション体制の現状と尾道市御調町における
地域連携・地域ケアについて 林 拓男
御調町では,地域での自立生活を支援するために,病院と町行政が一体となり,保健・医療・介護・福祉サービスの提供に必要な拠点を整備し,地域包括ケアシステムを構築した.
岩手県における地域リハビリテーション支援体制と地域連携
藤原瀬津雄ほか
岩手県における地域リハビリテーション支援センター,広域支援センターの今後の活動は直接支援活動からネットワーク構築,人材育成へ活動をシフトしていく必要がある.
倉敷における脳卒中・地域完結型リハビリテーション
―療法士主導の地域連携について― 中崎 喜英ほか
地域完結型リハビリテーションには,シームレスケアとリハ治療の一貫性と同時に,地域リハ全体の質の向上が要求される.当地域における,療法士による地域連携について紹介した.
北多摩北部二次医療圏における地域リハビリテーションの取り組み
―リハビリ手帳について― 鴨下 博
発症から在宅までリハビリテーションを継続する地域完結型はリハ情報の共有が必須であり,リハ情報共有の手段として「リハビリ手帳」は生まれた.
地域でのリハビリテーション体制の実際と求められる
維持期リハビリテーション・ケアについて
斉藤 正身ほか
地域リハビリテーション支援体制整備推進事業および,維持期リハ・ケアサービスの現状を踏まえ,「座位推進活動」「在宅リハ提供スタイル」「短時間型通所リハ」「リハ・マネジメント」の実践について紹介した.
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MEDICAL REHABILITATION Monthly Book No.101(2009.1)
末梢血管疾患に対する集学的アプローチ
重症下肢虚血(CLI)治療における病診連携
―神戸Podiatryミーティングの活動を通じて―
脇田 昇
重症下肢虚血(CLI)治療に際しては,下肢切断回避のために,血流評価と血行再建,その後の創傷治療へと集学的治療,病診連携が必要である.
重症虚血肢の治療にかかわる医師の立場から:
重症虚血肢の治療総論 宮村 卓ほか
技術の進歩に伴い血管内治療の可能性が拡大しているが,外科的治療が依然として優位な部分もある.今後は両者の利点を生かして低侵襲治療を行う傾向にある(Hybrid治療).
血管外科医の立場から 半田 宣弘
重症虚血肢患者では膝下へのdistal
bypassが増加,同時に看護スタッフ・再建の外科とのチーム医療が重要である.
形成外科医の立場から寺師 浩人ほか
重症虚血肢と糖尿病性足病変(潰瘍)の病態を的確に評価することが,適切な局所治療において重要である.
重症虚血肢の治療戦略(内科医の立場から)飯田 修ほか
下肢閉塞性動脈硬化症の病期が進行した重症虚血肢に対しては,集学的治療が必要である.特に本病態は,下肢のみならず他の動脈硬化性疾患(心疾患・脳血管疾患)の合併率が高く,救肢のみならず予後を見据えた診断・治療が必要であり,低侵襲であるカテーテル治療(Endovascular
Therapy)の適応は,デバイスの発展に伴い拡大することが予想される.
下肢血管再生治療を行う医師の立場から 川本 篤彦
先端医療センターでは,従来の血行再建術の適応のない慢性重症下肢虚血患者を対象に血管内皮前駆細胞移植の第I/II相臨床試験を実施し,同治療の高い安全性と有効性を確認した.
整形外科・リハビリテーション医の立場から 陳 隆明
Major
amputationによる治療を余儀なくされた状況において整形外科医が,major
amputationを施行された患者に対する義肢適合・装着訓練においてリハビリテーション医が重要な役割を果たす.
末梢血管障害を扱う理学療法士の立場から 坂本 親宣
末梢血管障害では症状を考慮した理学療法を選択することが必要となるとともに,局所的ならびに全身的なリスク管理が非常に重要となる.
切断者の断端ケア 嵯峨根奈央
断端管理では,切断者自身が断端のケアや皮膚トラブル時の対処方法,義肢の管理を適切に行うことが重要である.
創傷治療中の装具と治癒後の装具 大平 吉夫
適切なフットウェアを選択・装着・継続使用することで,予防・治療・再発防止に貢献することができる.
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