I.糖尿病による下肢切断に関する基本知識 |
糖尿病切断の疫学 |
米田千賀子ほか |
人口の高齢化と,糖尿病などによる末梢動脈疾患の増加により,下肢切断患者は増加し,術後の予後も不良であるが,我が国では大規模な疫学調査はほとんど行われていない. |
糖尿病における下肢切断の病態生理 |
新城 孝道 |
糖尿病足壊疽は皮膚の状態,糖尿病神経障害の重症度,下肢の血流障害,感染症の深達度および組織壊死の程度の総合的評価で下肢切断の適否が生じる. |
II.糖尿病による下肢切断のリハビリテーションとマネージメント |
糖尿病による切断と周術期管理 |
横川 秀樹 |
糖尿病足病変を扱う際に,避けて通れない切断について,主として下腿切断を中心に,適応,手術法,周術期管理について記載した. |
糖尿病切断と義足作製 |
陳 隆明 |
末梢循環障害に起因する下肢切断に対するリハビリテーションの対象者は今後確実に高齢化する.しかも,大腿切断者は減少し,下腿切断者が増加する傾向にある.したがって,下腿切断者の義足適応を的確に見極めることが要求される. |
糖尿病切断の理学療法 |
長倉 裕二 |
糖尿病下肢切断の理学療法は適切な義足と靴型装具を用い,運動の種目,頻度,強度,時間を調整し,継続的に無理なく,家族を含めた患者教育と環境整備を並行して行うことが重要である. |
糖尿病切断と医療福祉制度 |
山崎 伸也 |
医療や福祉制度を利用することで,高額な医療費や義足の支払いが可能になる. |
III.糖尿病切断の予防 |
糖尿病のフットケア |
簗 由一郎ほか |
糖尿病足病変では複数の病態が混在する.適切に病態を把握し,診断,治療,予防と進めることが重要である.糖尿病足病変の血流障害,神経障害,感染に対するアプローチについて概説した. |
糖尿病足と装具 |
高嶋 孝倫ほか |
糖尿病足病変に対する装具について,特に靴型装具,足底装具による足底圧分散と更なる変形の防止効果について記述した. |
閉塞性動脈硬化症のリハビリテーション |
村田 淳 |
閉塞性動脈硬化症のリハビリテーションでは心血管疾患の危険因子を減らすための生活指導を行い,運動療法により間欠性跛行を軽減する. |
糖尿病切断者のトータルマネージメント・チームケア |
飛松 好子 |
糖尿病によって切断を受けた患者にはその他の糖尿病合併症があり,重複障害をきたしているのでトータルケアが重要である. |